ウチカビって何?
今日は沖縄のお盆の最終日。南部では明日までのところもありますがだいたいは今日ご先祖様を送ります。
ご先祖様にいろいろなお土産を持たせます。忘れてならないのは❝あの世のお金!❞
ウチカビ、アンジガミといい、藁を主な材料にして作ります。送り(ウークイ)の日に焼きます(炙る・アンジュン)という人もいますね。
ウチカビの表面に打たれているのは「鳩目銭・はとめせん」という王国時代のお金です。
表面は何も書かれていません。
小さく薄いので、一枚でお金として使うのではなく、400~1000枚を紐(縄)に通して使います。
50枚で「一文」(銅銭一枚)の価値でした。
この鳩目銭がウチカビの表面に50枚打たれています。
現在は工場で作っていますが、昔は写真のような道具を使って、紙の上に打っていました。(沖縄市諸見民芸館蔵)
それで打つ紙(ウチカビ)と呼ばれるんですね。
まずは一両から
江戸時代のお米一石は150kg。
現代のお米の相場を5kgで2,500円とすると、.この相場のお米一石の金額は、150kg×2,500円÷5kg=75,000円。
金一両でほぼ一石の米が買えたので、金一両=一石=約75,000円として計算しています。
江戸時代中後期において金一両は6500文。すると一文は75,000円÷6,500文=11.53846…≒12円として話をすすめます。
これで12円
ウチカビの値段は?
ウチカビは一枚「一万貫」といわれています。
ウチカビには50枚の鳩目銭と呼ばれるお金が打たれています。この鳩目銭50枚が一文ですので、本来ならウチカビ一枚は1文。
つまり12円ということになりますね。これでは少なすぎますよね。
あの世レートが存在?
ウチカビは一枚「一万貫」と言われています。すると現世の一万倍の価値があることになりますね。
ちなみに「一万貫」は1億2000万円です。で、先の一両は75,000円として計算してみました。
ウチカビ一枚は「一文」、鳩目銭50枚=銅銭一枚ですね。すると12円となります。
これを「一万貫」にするには、一貫は1000文なので鳩目銭5000枚、ウチカビ100枚=約1200円、
更にそれを一万倍すると、鳩目銭5000万枚、ウチカビ100万枚=1200万円となります。
ウチカビ100万枚!すごい数ですね。そこでおそらく「あの世レート」なるものが存在するのかなと・・・
琉球式にすると・・・
更に琉球でのお金の数え方があったそうです。
鳩目銭50枚が銅銭一枚(一文)に相当します。
ところが琉球では銅銭や鉄銭の一文銭のことを五十(グンジュー)、二枚で百(ヒャーク)、
二十枚で一貫(イックヮン)と数えていたそうなので、またまたややこしくなりますね。
琉球式数え方だと、一貫=銅銭20枚=鳩目銭1000枚=ウチカビ20枚。
銅銭1枚12円なので、12×20で240円となるので、
一万貫=銅銭20万枚=鳩目銭1000万枚=ウチカビ20万枚=4800万円となるんですね。
琉球式にするとウチカビは一枚あの世レートで現在のお金の4800万円に相当するようです。
これを5枚焼くと2億4000万円になるんですね~。
計算あってるかな~!では又。